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長期間の高温・乾燥に対する農作物等の対策

福岡管区気象台の1か月予報(7月25日~8月24日)では、九州北部地方は「気温は期間の前半はかなり高く、降水量は後半は平均並みか少ない」との予報です。このまま高温乾燥で推移すると、農作物への影響が懸念されます。このため、高温にかかる下記の事項に注意しましょう。

また、暑熱環境下で作業を行う場合は、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けてください。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、気がつかないうちに熱中症になる可能性があるため、単独での作業を避けましょう。

【共通】

雨天後の急激な土壌乾燥は生理障害発生の原因となるため、ほ場の土壌水分に留意し、根や草勢の状態を確認して、かん水や施肥などの適切な管理を行いましょう。

【普通作】

1 高温・乾燥の影響

<水稲>

水稲は、出穂後に高温が続くと、「白未熟粒」や「充実不足」の発生による玄米外観品質の低下が懸念されます。

病害虫については、高温多湿になると紋枯病の発生が増加するおそれがあります。

<大豆>

大豆の播種後から開花以前にかけては、高温が続いて土壌水分が不足すると、出芽不足や、茎の節数・分枝数の減少が発生するおそれがあります。

2 対策

<早期水稲>

(1)白未熟粒発生を防止し、籾の充実を高めるため、出穂後20日間は水を切らさないように管理しましょう。

(2)渇水が懸念される地域では、早めに地域協議を行い計画的な潅水を行うことで用水の節水を行いましょう。

(3)用水が有効に利用されるよう、ほ場の漏水防止対策に努めましょう。

(4)登熟期の水管理は間断潅水を基本とし、早期の落水を避けましょう。

<普通期水稲>

(1)茎数が確保されたら、過剰分げつ抑制や倒伏防止のため、黒乾状態まで中干ししましょう。

(2)渇水が懸念される地域では、早めに地域協議を行い計画的な潅水を行うことで用水の節水を行いましょう。

(3)イネが最も水を必要とする穂ばらみ期~出穂開花期を中心に湛水管理を行いましょう。

(4)用水が有効に利用されるよう、ほ場の漏水防止対策に努めましょう。

(5)登熟期の水管理は間断潅水を基本とし、早期の落水を避けましょう。

(6)葉色が低下した状態で高温が続くと白未熟が発生しやすくなることから、幼穂形成期頃に肥料切れが見られる場合には、出穂前10日頃までに穂肥を施用しましょう。

(7)紋枯病やトビイロウンカ、斑点米カメムシ類は、高温により発生が増加するおそれがあるため、適期対策に努めましょう。

<大豆>

(1)出芽を確認したら、土壌の過乾燥を防止するため、本暗渠の栓を閉めましょう。ただし、多量の降雨の場合は、栓を開けて排水を行い、再度、栓を閉めましょう。

(2)用水が十分確保されている地域では、土壌の乾燥が続く際は、中耕培土作業終了後に畦間かん水を行いましょう。なお、日中はできるだけ避け、夕方に行うのが理想です。

【野菜】

1 高温・乾燥の影響

全体的には、高温による生育停滞や品質低下、乾燥による害虫の多発が予想されます。

施設葉菜類では、葉先枯れ、生育停滞の発生が懸念されます。

2 対策

<共通>

(1)かん水は、少量・多回数を基本とし、土壌や育苗中の培土の過乾燥を防ぎましょう。

(2)病害虫は、少発生時の防除に努めましょう。

<施設野菜>

(1)ハウスの妻面やサイド、肩部を大きく開放して換気に努め、ハウス内の温度上昇を抑えましょう。

(2)換気扇や循環扇を活用して強制換気と外気導入を図りましょう。

(3)寒冷紗による遮光や遮光剤の塗布により、ハウス内の温度上昇を抑えましょう。

(4)施設青ネギのかん水は、晴天日の早朝に行い、目安としては表層から3㎝程度が湿る程度とし、夜間は地表面が乾くことが理想です。特に生育後期の多かん水は軟弱徒長の原因となるので注意しましょう。

(5)アスパラガスは、蒸散量が多くなるので土壌が乾燥しないようにかん水に注意しましょう。

<露地野菜>

(1)光を反射するマルチ資材やワラでうね面を被覆し、地温の上昇と水分蒸発を抑えましょう。

(2)露地果菜類は、水量が確保できれば夕方に畝間かん水を行い、水量が限られる場合は株元に手かん水を行いましょう。

<イチゴ苗>

(1)鉢土の水分状況を常に観察(育苗床内の乾きやすい場所に特に注意)し、過乾燥で萎れないようこまめにかん水しましょう。

(2)寒冷紗被覆(風通しは必ず確保する)により鉢土からの蒸散を防ぎましょう。ただし、かん水過多に注意し、曇天が続く場合は一旦除去しましょう。

(3)高温による薬害を生じやすいので、夕方でも葉温が高い場合は、事前に葉水程度の少量の散水を行い、葉温を下げてから防除しましょう。

(4)雨よけ被覆を行っている場合は、妻部分を開放するとともに肩部分も可能な限り巻上げ、ハウス内の通気を促し温度を下げましょう。

【果樹】

1 高温・乾燥の影響

(1)果実の陽光面では果実温が高くなり、日焼け果(カンキツ、カキ、ブドウ、キウイフルーツ、ナシ)が多発します。

(2)ブドウ、イチジク、カキでは、着色遅延や着色不良を招きます。

(3)成熟期の高温は、成熟異常果(軟熟果、過熟果、果肉褐変等)を誘発します。

(4)収穫後(流通段階を含む)の高温により果実の日持ち性が悪くなります。

(5)施設果樹では、高温になりすぎて葉焼けや樹体の衰弱等が発生します。

(6)露地果樹では、土壌が乾燥しすぎると葉焼けや落葉が発生し、樹勢が低下します。

(7)苗木では、葉焼けや萎凋が発生し、症状が進むと枯死につながります。

2 対策

(1)日焼け果の発生防止として、徒長枝の誘引等によって果実に日影を作りましょう。また、カンキツではサンテ(果面保護資材)の被覆等、キウイフルーツでは笠掛けや寒冷しゃにより日焼け果の発生を軽減しましょう。

(2)こまめな潅水を行うとともに園内の夜温を少しでも下げるため、できるだけ日没後にも潅水しましょう。

(3)適熟収穫に努めるとともに、日焼け果や成熟異常果が混入しないよう、収穫前の果実品質の把握と選果選別を徹底しましょう。

(4)収穫は果実温が低い早朝に行うとともに、収穫果実の品温を上げないよう収穫後や搬送中のコンテナには日除けシート等を被せましょう。なお、イチジクでは予冷し、品温を下げましょう。

(5)収穫が終了した施設果樹は、速やかに天井被覆を開放し、十分なかん水を行いましょう。収穫中の施設果樹では、妻面の開放や、換気扇、循環扇を活用し、異常高温を回避しましょう。

(6)露地果樹および苗木では、十分なかん水と敷きわら等を行い、根域の水分保持と昇温抑制に努めましょう。

【花き】

1 高温・乾燥の影響

(1)露地ギクでは、8月咲で葉焼けや欠乏症、9月咲で短茎開花が発生する懸念があります。

(2)その他露地切り花では、定植後の活着不良、葉の萎れ、株の枯死が発生する懸念があります。

(3)施設切り花では、短茎開花や茎葉の軟弱化等の懸念があります。

(4)切り花全般で高温・乾燥により、微量要素欠乏症等が発生する場合があります。またハダニ類やヤガ類の発生が増加する懸念があります。

2 対策

(1)露地ギクやその他露地切り花では、乾燥害を避けるため適宜かん水を行いましょう。水量が確保できれば畝間かん水を行いますが、地温の低下を図るため必ず日没後に行いましょう。

(2)施設栽培では、ハウスの妻面やサイド、肩部を大きく開放して換気に努め、遮光資材による適切な遮光により、気温や植物体温度の上昇を防ぎましょう。また、かん水は夕方に行い地温の低下を図りましょう。

(3)微量要素欠乏症が発生した場合は、葉面散布材の散布を行いましょう。害虫の発生に注意し、適期防除を実施しましょう。防除にあたっては、朝夕の涼しい時間帯で行い、薬害が発生しないように注意しましょう。

(4)収穫は早朝などの比較的気温の低い時間帯に行い、清潔な水で水揚げしましょう。品目によっては品質保持剤を使用しましょう。

【茶】

1 高温・乾燥の影響

(1)親葉が日焼けし、夏芽の伸育が悪化するおそれがあります。

(2)幼木では、乾燥により枯死するおそれがあります。

2 対策

(1)水の蒸散を抑えるため、堆肥施用後は混和しない、裾刈りを控える、可能な限り敷草をするなどの対策に努めましょう。

(2)高温乾燥の被害のおそれのある園から優先的にかん水しましょう。

【畜産】

1 高温・乾燥の影響

家畜は、暑熱ストレスにより飼料摂取量が大きく減少するため、乳量減少、乳成分率の低下、増体量の減少、産卵率の低下および受胎率の低下等が発生します。

2 対策

(1)体温の上昇を防止するため、屋根散水、細霧、送風、寒冷紗設置などの遮光による畜舎内の温度の低下を図りましょう。屋根散水や細霧を行う場合は、畜舎内の湿度上昇に注意しましょう。また、群飼においては、過密状態を解消しましょう。

(2)大家畜に対しては、消化性が良く第一胃内での発酵熱の発生が少ない良質粗飼料の給与、給与回数の増加、粗飼料の切断長の短縮などが効果的です。

(3)飼料は、涼しい時間帯(早朝又は夜間)に給与し、新鮮な水を常時、十分な量を飲めるようにしましょう。

(4)給与飼料中の蛋白質が過剰にならないようにし、発汗等によりミネラル不足も懸念されることから鉱塩は切らさずに、ビタミンは通常期より増給しましょう。

(5)高温や多湿は、飼料の変敗が懸念されることから、湿気の少ない冷暗所でなるべく保管し、カビが確認できたエサは給与せず、カビが見えない場合でもカビ毒吸着材などを活用しましょう。

(6)食べ残した飼料は飼槽内で変敗しやすくなり、変敗した飼料はハエ等の衛生害虫の発生を助長するため、食べ残した飼料は早期に片付け、飼槽は清潔に保つようにしましょう。

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