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大雨に対する農作物等の技術対策について

梅雨前線の停滞と台風7号の接近に伴い、6月23日(月)から25日(水)にかけて、福岡県の広い範囲で大雨となることが予想されています。農作物や農業用施設への被害が懸念されますので、下記の技術対策についてご確認のうえ、早めの備えをお願いいたします。

◆ はじめに ~安全の確保を最優先に~

ほ場・農業用施設等の見回りは、気象情報を十分にご確認いただき、大雨等がおさまるまでは行わないでください。また、大雨等がおさまった後の見回りの際も、増水した水路など危険な場所には近づかず、人命を最優先に、事故の防止を徹底してください

【共通】

浸冠水の恐れがある場合は、農業機械や器具を格納庫等の安全な場所に移動してください。

【水稲・大豆の対策】

〈水稲〉

  1. 深水状態が続くと軟弱徒長となり、スクミリンゴガイの被害も多くなります。除草剤散布時を除き、浅水~間断かん水管理を基本としてください。早植え水稲は、有効茎が確保され次第、中干しを実施します。
  2. 除草剤散布後に大雨でオーバーフローした場合は、雑草の発生状況を確認し、残存雑草があれば早めに中期除草剤で対策を行ってください。
  3. いもち病が発生しやすい条件となります。置き苗は早急に除去し、発生が認められた場合は直ちに防除を行ってください。粒剤は予防効果が主であるため、発生初期までに防除を実施します。
  4. 冠水した場合は早急に排水し、冠水時間を短くしてください。十分な排水ができない場合でも、葉の先端が水面から出るよう最大限努めます。排水後は、新しい酸素を含んだ用水との入れ替えを実施してください。

〈大豆〉

  1. 排水対策を行い、播種作業ができる条件を整えてください。排水が悪い部分は人力で作溝するなどし、周囲溝・弾丸暗渠などの機械による排水作業ができるよう努めましょう。排水口を整備し、速やかな排水を図ってください。
  2. 降雨の合間をぬって土壌水分が適度になったら播種を行い、7月20日までの適期播種に努めてください。組作業による耕起・播種や一工程播種が有効です。播種後の降雨対策として、畝立て播種を基本に行いましょう。

【施設園芸の事前対策】

  1. 施設周囲の作溝により、施設内への雨水侵入を防いでください。
  2. オイルタンクの元栓は閉め、本体が倒伏しないよう十分固定してください。
  3. 防水壁や排水ポンプを整備している場合は、事前に土嚢等で補強し点検しておきましょう。
  4. ハウス内外にある流出の恐れがある資材等は、片付けてください。
  5. 養液栽培等、停電の影響が大きい施設では、事前に自家発電機を準備してください。あわせて、浸水による漏電・ショートを防ぐため、回路の防水を確認し、不要な電源は切っておきます。
  6. 天候不順で土壌消毒(太陽熱消毒)の準備が遅れないよう、今後の天候に応じてほ場の片づけや消毒準備を速やかに進めてください。状況によっては薬剤による土壌消毒も想定しておきましょう。

【園芸作物の大雨後の対策】

〈野菜〉

  1. 排水溝を整備し、すみやかな排水を促してください。
  2. 浸冠水を受けた場合は速やかに排水し、葉に付着した泥が乾かないうちに水で洗い落としましょう。
  3. 降雨の合間を見て薬剤散布を実施してください。
  4. 断続的な降雨が続くと肥料の流亡が多く、過湿による根傷みで吸肥力も低下します。計画的な化成肥料の追肥や、生育状態に応じた液肥の施用・葉面散布を行いましょう。
  5. ほ場が乾き始めたら軽く中耕し、新根の発生を促します。土が流亡し根が露出している場合は土入れを、土砂で株元が埋まっている場合は土砂除去や畦の中耕を行ってください。
  6. 曇雨天後の急な晴天時は、強日射で茎葉のしおれや日やけが生じやすいため、早めの収穫を行ってください。

〈果樹〉

  1. 病害の発生にご注意ください。ブドウのべと病、カキの炭疽病、ミカンの黒点病、ナシの黒星病、キウイフルーツの果実軟腐病、イチジクのそうか病・疫病・黒葉枯病、核果類の灰星病などの発生が多くなります。降雨の合間に薬剤散布を行ってください。傾斜地でのスピードスプレーヤ防除の際は、作業道の状況を確認し、事故のないよう万全を期して行ってください。また、降雨が続くと枝葉が軟弱に育ち薬害が生じやすいため、次の点にご注意ください。
    • (a) 日中高温時の散布はできるだけ避け、朝夕の気温が低いうちに実施する。
    • (b) 散布量は過剰にならないようにする。
    • (c) 混用散布は避け、できるだけ単用散布とする。
    • (d) 早期落葉した園では、落葉の処分を徹底する。
  2. ブドウやナシでは、急激な水分吸収で裂果が生じる恐れがあるため、園内への雨水の流入を防止してください。
  3. 園内が長時間湛水すると根傷みで樹勢が低下しやすいため、明きょを設置し、過剰な土壌表面水を速やかに園外へ排出しましょう。
  4. 崩壊した園地・農道等は、天候回復後速やかに復旧してください。集排水溝が土砂等で埋没している場合は直ちに取り除き、園内外の排水を良くしましょう。
  5. 土が流亡し根が露出している場合は、速やかに覆土を行ってください。
  6. 根傷みや早期落葉が激しい園では樹勢の衰弱が予想されるため、摘果等による結果制限を行ってください。
  7. 肥料の流亡や、雨に伴う低温による肥効の遅れが予想される場合は、地力や生育状況に応じて追肥量を加減しましょう。根傷みが激しい場合は、少量の追肥や葉面散布を実施してください。
  8. 長雨後の高温・急激な土壌乾燥は、ブドウやキウイフルーツの葉焼け、落葉、日焼け、縮果症等の原因となります。かん水・敷わら・草刈り等を行いましょう。

〈花き〉

  1. 風雨で倒伏した場合は、すぐに立て直してください。
  2. 冠水・浸水がある場合は軽く中耕し、土中に酸素を送って新根の発生を促しましょう。根が露出している場合は直ちに土入れし、根を保護してください。
  3. 病害を抑えるため、茎葉についた汚泥をよく洗い流してください。雨が止んだら殺菌剤を散布し、定植後に疫病等が発生した場合は殺菌剤を灌注しましょう。
  4. 排水の悪いほ場でマルチを行っている場合は、畝の肩までマルチを上げ、水分の蒸発と通気性の確保を図ってください。
  5. 降雨量が多い場合は肥料の流亡が大きいため、速効性窒素や葉面散布剤を施用し、草勢の回復を図ってください。
  6. 花木類で根が露出しているものは、すぐに土をかけるか寒冷紗等で覆い、直射日光による乾燥を防いでください。
  7. 長雨後の高温・急激な土壌乾燥は葉焼け等の原因となるため、遮光・かん水・敷わら・草刈り等を行いましょう。
  8. キクなど電照栽培では停電の恐れがあるため、タイマー等の確認を行ってください。

【茶の対策】

  1. ほ場に浸水しないよう努め、畝内の障害物を除去して滞水を防いでください。
  2. 新植園や傾斜地の茶園で大雨により根が洗い出された場合は、乾燥を防ぐため土寄せをしましょう。
  3. 大雨後の樹勢回復のため、速効性肥料を分施してください。
  4. 炭疽病・輪斑病・もち病などが多くなるため、防除を行いましょう。
  5. 樹勢に応じた整枝を行ってください。

【畜産関連の対策】

〈家畜〉

  1. 雨漏り対策など雨の畜舎内侵入を防止し、排水溝を整備してください。浸水した場合は、汚れた敷料の除去、牛床の清掃、換気・乾燥に努め、牛舎内を清潔に保ちます。
  2. 搾乳機械や保温器具等、停電の影響が大きい施設では、事前に自家発電機を準備してください。あわせて、漏電・ショートを防ぐため回路の防水を確認し、不要な電源は切りましょう。
  3. 浸水被害にあった牛や子牛はこまめに観察し、異常牛は速やかに診察を受けてください。
  4. 水に浸かったロールや購入乾草などは、カビの恐れがあるため給与しないでください。

〈飼料作物〉

  1. ほ場に水が停滞した場合は、排水口等を整備し、速やかに排水を図ってください。
  2. 降水量が多くなると肥料の流亡も多くなります。窒素肥料を主体とした追肥を生育状況に応じて実施することで、湿害の軽減や生育の遅れの回復が見込めます。

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